消えた6000億円! 自賠責保険の積立金を「借りパク」した、財務省の誠意なき態度と役人天国ニッポン

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財務省が、自賠責保険5952億円を完済するめどは立たないと釈明した。本当にこのままでいいのか。

22世紀まで返ってこない積立金

ドライバー(画像:写真AC)
ドライバー(画像:写真AC)

 天下の財務官僚が恥ずかしいと思わないのだろうか?

 ましてや国民の積立金であり、国民の被害者救済のための自賠責保険である。あげく財務省が自賠責保険の積立金の80%も借りたまま返さないがために原資は不足、これを

「交通事故の被害者支援を充実させるため」

と称して、自賠責保険料とは別の賦課金を最大150円値上げするとした。

 少ない額と思うかもしれないが、これまで32円だったものを150円にするのでおよそ5倍の値上げ、そもそも6000億円も借りたままの財務省からではなく、国民から追加で取ろうとしている。

 それも

・低金利による運用益の減少
・交通事故の被害者支援を充実

という名目である。

 前者はともかく、後者など自賠責保険の「被害者救済」という目的からすれば当たり前の話で、実際のところは

「財務省が6000億円を借りたまま、完済に100年かかる返済しかしてくれないから」

のはずなのに。これでは財務省のためにごまかそうとしていると思われても仕方がない。

 今回の会見で、鈴木財務相は7億円の繰り戻しと補正予算のうち12.5億円を追加返済するとしたが、それでも単純計算で

「約85年」

かかる計算だ。このままなら2100年、22世紀まで自賠責保険の積立金は返ってこない。2022年に生まれた子でも85歳、現在支払っている国民は誰も完済を見ることはなく、財務大臣も財務省の現役官僚すべてがそうだろう。日本では、このような理不尽な行為が財務省という国家財政の中枢で繰り返されているのだ。

 まして、6月9日の衆院本会議では自民、公明、国民、立憲維新の与野党一致の賛成で可決されている。反対に回ったのは共産党とれいわ新選組だけ。これがこの国の議会の、一般国民に対する答えである。

 自賠責保険そのものの原資が枯渇するまで時間もない。残る1441億円(2022年度時点)に数十億の返済があったとしても、積立金からの持ち出しは77億円(2021年度)とすれば20年程度で底をつく。

「誠意をもってお返ししていくことが大切」

鈴木財務相は会見でそう語った。しかし、大臣にとっては会見していることが精いっぱいの誠意かもしれないが、国民の側からすれば誠意に取れない。ドラマ『北の国から』の菅原文太の言葉を借りれば、

「誠意って、何かね」

としか言いようがない。

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