なぜ広島電鉄の「好業績」を素直に喜べないのか? 営業利益50倍超へ急拡大なのに! 「駅前大橋ルート」開業後の決算で何が起きているのか――広電の収益構造とは

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営業利益が前年同期比50倍超の2.1億円に急拡大した広島電鉄。駅前大橋ルートの開業効果と持て囃されるが、セグメントをひも解くと運輸業は3.3億円の赤字に沈む。好決算を支えたのは不動産などの非運輸部門だ。「新路線景気」の幻想をデータで解き明かし、本業の赤字を他事業が補う異色の収益構造に迫る。

営業利益50倍超となった第1四半期

紙屋町東電停に停車中の広島電鉄の路面電車(画像:写真AC)
紙屋町東電停に停車中の広島電鉄の路面電車(画像:写真AC)

 広島電鉄(広島県広島市)は2026年8月12日、第1四半期(2026年4月~6月)の連結決算を発表した。

 同発表によると、売上高は前年同期比27.1%増の101億円、営業利益は2億1000万円、経常利益は同115%増の3億8000万円だった。営業利益は前年同期の400万円から50倍以上となったため、増減率のパーセンテージは記載されていない。

 同社グループでは、2025年8月に軌道線の新路線駅前大橋ルートを開業。運輸業や観光関連事業での施策の効果に加え、不動産業や建設業も堅調に推移したほか、飲食業・宿泊業・建設業などを手掛けるA&C(廿日市市)を連結子会社としたことで、グループ全体として増収増益になったとしている。

「駅前大橋ルート」は、JR広島駅から稲荷町交差点を経て、比治山町交差点までの1.1kmを直線的に結ぶ新路線で、高架で広島駅ビル2階に直接乗り入れる。これまで遠回りだった経路が解消され、広島駅ではJRの改札口とフラットにつながるため、JRと路面電車の乗り換え時間が短縮されたほか、広島駅~八丁堀・紙屋町方面への所要時間も約4分短縮された。

 また、2026年3月には市内中心部を周回する新系統「循環線」を新設。広島駅発着便を中心に朝ラッシュ帯の車両を大型化したほか、実証運行中だった快速便の本格運行も始めている。

 今回発表された第1四半期決算の「好調ぶり」は、地元メディアなどでも報道された。その論調は、人件費の上昇や資材価格の高騰などが利益を圧迫したものの、2025年8月に開業した駅前大橋ルートの効果が続いており、大幅な増収増益につながったというものだ。

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