「ここは、あえて狭くしています」 高速道路“3.5m”車線幅はなぜ一律ではないのか? 区間ごとに設計が変わる根本理由
高速道路の車線幅は3.25~3.75mと区間で揺らぎ、25cm刻みの設計に物流効率と施工コストの均衡が反映される。自動運転時代を見据え、インフラ最適化の再設計が問われる。
今後の展望

5年後、私たちのハンドル操作は今よりもずっと、車線という物理的な枠組みと密接に連動しているはずだ。自動運転や運転支援技術が当たり前になれば、車両は自らの位置を数cm単位で正確に保つようになる。そうなれば、これまで人間がふらつきへの備えとして必要としてきた余白を、より建設的な目的に転換できる。限られた道路空間をミリ単位で使い切る、そんな効率的な活用の道が開かれつつある。
10年というスパンで展望すれば、車線幅の概念そのものが、より流動的なものへと姿を変える可能性がある。曜日や時間帯、あるいはその時々を走る車種の構成に合わせて、車線幅の運用を柔軟に切り替える。すでに一部の道路で試行されているような、通行量を最大化するための運用手法が、高速道路のスタンダードになるかもしれない。固定されたアスファルトの境界線が、デジタル技術によって伸縮する時代が目前に迫っている。
さらにその先、高速道路は移動の手段という枠を超えていく。物流や都市機能を根底で支える、文字通りの社会基盤としての重みを増していくに違いない。用途に合わせて空間の使い道そのものを見直し、車線幅というこれまでの枠組みを、目的別に作り変えていく動きも出てくるだろう。
社会を支える不可欠なインフラとして、私たちの暮らしに寄り添いながら、より使い勝手の良い仕組みへと形を変えていく。そんな進化の先に、日本の物流と移動の新しい姿があるはずだ。