「ドア→バタン!」は時代遅れ?――高級車の“静音ドア機能”が軽自動車まで広がった根本理由

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高齢者人口29.3%の日本で、オートクロージャー市場は2024年に94億ドルに到達。安全性と静粛性を両立し、EV時代の快適な車内空間を支える次世代装備として注目されている。

電動ドアの成長力分析

市場全体の3割以上を占めるパワードアシステム(画像:写真AC)
市場全体の3割以上を占めるパワードアシステム(画像:写真AC)

 オートクロージャーへの需要増は、市場の成長性にも明確に表れている。

 市場調査会社グローバルインフォメーションのレポートによると、自動車用パワークロージャーの世界市場は2024年に94億米ドル(約1兆4301億円)に達した。2025~2034年には年平均成長率6.8%で拡大し、2034年には180億米ドル(約2兆7385億円)規模に成長すると予測される。

 市場のなかでも特に注目されるのはパワードアシステムである。同レポートでは、パワードアシステムが

「市場全体の35%以上」

を占める主要セグメントとされている。オートクロージーを含むスライドドアやサイドドアの電動化が、市場の成長を力強くけん引している証拠である。かつては高コストだったモーターやセンサーも、技術革新で小型化・低価格化が進み、普及を後押ししている。

 自動車メーカーにとって、オートクロージャーの採用は快適装備の追加だけではない。安全性や静粛性といった付加価値が、他社製品との差別化に直結する重要なセールスポイントとなる。特にファミリー層や高齢者をターゲットとする車種では、その訴求力は大きい。

 今後、電気自動車(EV)の普及が進むなかで、車内の静粛性はさらに重視されるだろう。エンジン音がないEVでは、これまで目立たなかった

・ロードノイズや風切り音
・ドアの開閉音

が際立つ。静かに作動するオートクロージャーは、EV時代の快適な車内空間を演出するうえで、相対的に価値を高める可能性を秘めている。

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