「女性のバッグが盗みやすい」 都内の電車で“スリ被害”が2倍に! 都市交通の死角、モラルの崩壊、経済格差…銀座線事件から考える
都内電車内でのスリ被害が前年比2倍の80件に急増。背景にあるのは混雑の質の変化と都市設計の歪み、そして社会の無関心だ。日常に潜む構造的リスクが、移動空間の「信頼」を脅かしている。経済と都市の未来を読み解くカギがここにある。
犯罪の「採算」が合ってしまう時代

興味深いのは、スリという犯罪が、経済的な合理性のなかで再評価されている兆候があることだ。今回の事件での被害額は6000円相当。高額ではない。しかし、満員電車でスマホに夢中な乗客を狙えば、逮捕リスクを低く抑えながら日当レベルの収益が見込める。
・摘発率の低さ
・罰則の軽さ
・即現金化可能な品物
がターゲットになることで、「手間の少ない犯罪」として成立してしまっている。
経済が安定し、社会保障が充実していれば、こうした行為に手を染めるインセンティブは下がる。しかし、都市のなかに貧困層と非正規労働者が固定化され、機会の格差が広がっていくなかで、選ばざるを得ない犯罪が静かに増殖している。