なぜ令和の高校生は修学旅行で「沖縄」を選ぶのか? 3割以上が支持! 京都じゃないの?――地名だけでは測れない旅の価値とは
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沖縄を選ぶ高校生の遠距離体験価値

全国の現役高校生750人に「修学旅行で行きたい都道府県」を尋ねた調査で、1位に選ばれたのは沖縄県だった。全体の33.1%を占め、2位の北海道(21.2%)、3位の東京都(11.6%)、4位の京都府(10.0%)、5位の大阪府(9.9%)を引き離している。定番の京都を沖縄が大きく上回る結果となった(『ワカモノリサーチ』2026年10月6日発表)。
数字の背景を探ると、生徒たちが行き先に求めるものは地域ごとに大きく異なる。自由回答をみると、沖縄には「海」「飛行機」「遠出」「友達」、北海道には「海鮮」「いくら」「ラーメン」が並ぶ。東京は「都会」「ディズニー」「買い物」、京都は「歴史」「着物」、大阪は「USJ」「食」といった具合だ。
彼らは地名だけでなく、現地でどのような時間を過ごすかを選び取っている。物品を買う「モノ消費」に加え、体験を重んじる「コト消費」、さらに友人同士で時間や空間を分かち合う「トキ消費」を求めるデジタルネイティブ世代の姿が浮かび上がる。
沖縄への回答で目立つのは、海への憧れにとどまらない。「飛行機に乗って遠出したいし海があるところがいいから」「行ったことないし沖縄の海に憧れるから」といった声が寄せられている。
飛行機に乗り、普段の生活圏から遠くへ足をのばす。そこで友人と時間を過ごし、美ら海水族館や国際通りといった施設を訪ねる。「海」という地域ブランドを背景に、移動も含めた旅の体験が組み立てられている。遠くへ向かう非日常感が、仲間とかけがえのない時間を分かち合う場として選ばれているのだ。
こうした「遠くへ行く」需要を制度や経済の面から支える要因もある。1970年代後半の私立高校、1990年代後半からの国公立高校での航空機利用の広がりに加え、沖縄県発着の航空便に適用される「航空機燃料税の50%減免措置」の存在が大きい。県外の同一距離路線と比べて航空運賃が5000円程度安く設定されており、学校や保護者の金銭的負担を和らげている。ガソリン税の軽減や沖縄自動車道料金の割引、特定免税店制度なども、遠出の需要を後押しする土台として働く。
現代の沖縄がもつ価値には、非日常感に加えて、多様な文化に触れる機会も含まれる。琉球王国時代の世界遺産や伝統芸能、米軍基地に隣接する米国文化など、複合的な歴史が混ざり合う。また、県民の4人にひとりが犠牲となった沖縄戦の舞台として、摩文仁の沖縄戦跡国定公園やひめゆりの塔を通じた平和学習の拠点、すなわち「イミ消費」の側面もあわせ持つ。こうした多層的な魅力が、3割超という幅広い支持につながっている。