「出社したくない」「自民党って泥棒なん?」 通勤手当に“課税”検討がSNSで大顰蹙! 課税の弊害は? 移動コストと経済の視点から考える
政府が通勤手当への課税案を検討中だが、この制度変更は従業員の負担増にとどまらず、企業戦略や居住地選択にも深刻な影響を及ぼす可能性がある。短期的な税収増を狙う一方で、長期的には消費活動や地域格差拡大などの副作用も懸念される。本稿では、通勤コストの視点からこの改革の弊害と、それに代わる政策提案を考える。
企業と労働者の選択肢縮小
![通勤のイメージ(画像:写真AC)](https://merkmal-biz.jp/wp-content/uploads/2025/01/250131_tsukin_04.jpg)
政府の狙いは税収を確保することにあると考えられるが、実際に税収増につながるかどうかは疑問が残る。
通勤手当が課税対象となることで、企業や労働者の行動に変化が生じ、必ずしも期待通りの税収が得られるわけではない。例えば、企業が通勤手当の支給を減額したり、在宅勤務を拡大したりすれば、結果として通勤手当の支給総額が減り、課税対象が縮小する可能性がある。
また、消費活動の冷え込みが進めば、消費税や法人税の税収に悪影響を与えることも考えられる。短期的には所得税収が増加するかもしれないが、長期的には全体の税収にマイナスの影響を及ぼす可能性もある。
通勤手当に課税することによる弊害を考慮すれば、政府は別の方法で税収を確保する道を探るべきだ。
例えば、都市部のオフィス集中を是正し、地方移住を促進するための税制優遇措置を導入することで、通勤そのものの負担を減らす方向性を検討する価値がある。また、企業が負担する社会保険料の見直しや、法人税の適正な課税によって、より公平に財源を確保する方法も模索すべきだ。
さらに、通勤コストを下げるためのインフラ整備も重要だ。公共交通機関の運賃引き下げや、通勤時間帯の混雑緩和策を進めることで、通勤手当に依存しない働き方を実現する環境を整備することも、ひとつの解決策となるだろう。