リコー、東芝に続き三菱ケミカルも! 大手メーカーの物流子会社を次々と傘下に収める「謎めいた物流グループ」の正体
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規模と範囲の経済を両立する成長策

主に大手メーカー系の物流子会社をM&A(合併・買収)で傘下に収め、事業規模を拡大してきたSBSグループ。ここで、ひとつの大きな疑問が浮かぶ。
買収した物流子会社は、それぞれ何らかの事情から、親会社からいわば“リストラ”された会社とも見られる。こうした企業を買収し、事業規模を拡大するだけで、グループ全体の利益も増やせるのだろうか。
この疑問に対しては、前述の中期経営計画にある「SBSグループ経営の現状と特性」の項目が、比較的明快な答えを示している。
そこでは、「SBSグループは、連結ベースの売上高では業界大手に迫るも圧倒的な規模を有する中核会社がないことから、競争優位性を確保するためにグループ連携が不可欠( = プラットフォーム化)」と説明している。
さらに、「グループ各社は旧親会社という強固な顧客基盤を有し、特定の領域において圧倒的な競争力、独自性を持つグループ各社の独自性を維持・発展させること(各社単位の独自戦略)が今後のグループ運営に有効」との考えも示している。
このふたつの方針を組み合わせ、一見相反する考え方を両立させながら、安定した成長を目指すという。
前者は、インフラやシステム、ノウハウ、人材など、幅広い経営資源を共有して「規模の経済」を追求する方向性だ。一方、後者は、三菱ケミカル物流なら化学品・危険品というように、特定の専門分野を深く掘り下げ、その領域を増やすことで「範囲の経済」を追求する方針と捉えられる。
また、買収した物流子会社の中には、かつての親会社の社名を完全に外した例もある。リコーロジスティクスからSBSネクサードへの社名変更がその一例だ。こうした企業は、もはや旧親会社からの受注だけに頼る体制から脱しつつあるようだ。
SBSグループが「規模の経済」と「範囲の経済」の両方を追求する買収を、今回の三菱ケミカル物流で終えるとは考えにくいだろう。