なぜ米国は「中国EV」を徹底して締め出そうとするのか? 100%関税でも広がる世界進出! なぜボルボは認められたのか――ポールスターとの明暗を分けた新たな条件とは
2025年に世界販売首位へ躍り出た中国製EV。圧倒的な価格競争力を前に、米国の対抗策は100%関税から部品・ソフトを含む「完全排除」へ急旋回した。米輸入電池の中国シェアが81%から43%へ急減する中、自動車産業の主権争いは価格競争からデータと国家安全保障を巡る攻防へと根底から変化している。
中国EV台頭と米国の全面禁止転換

中国メーカーの電気自動車(EV)は、低価格を武器に世界市場で存在感を高め、東南アジアや欧州などでシェアを伸ばしている。こうした動きへの警戒を強める米国では、中国製の自動車本体だけでなく、関連部品やソフトウェアまで全面的に禁じるよう求める声が強まってきた。これまで中国車を締め出してきた関税政策から一転し、恒久的な禁止へ踏み込む段階に入り始めている。
米国自動車業界のロビー団体「Alliance for Automotive Innovation(AAI)」は2026年9月3日、米議会に対し、ハードウェアやソフトウェアを含め、販売・輸入・製造を禁じるよう求めた。
米国内の議論は、中国車を市場に受け入れるか否かという段階をすでに超えている。安価な輸入車への対抗策だったはずの関税引き上げから、サプライチェーンや車載ソフトウェアの排除、さらには国家安全保障の問題へと広がった。一連の動きを追うと、自動車産業の競争軸そのものが変わり始めている現実が見えてくる。