なぜ中古車を「見ずに買う人」が増えたのか? 44%が実車確認なし! 車選びの現場で何が起きているのか――「店舗巡り」離れが広がる理由とは
中古車の「実車確認なし」購入が44.2%に達した。平均支払総額179.0万円への高騰や長期保有化が進む中、商談の主戦場は「店頭での目視」から「ネット上のデータ照会」へ移行しつつある。第三者評価や故障診断といった情報開示が従来の情報格差を打開し、市場は構造転換期を迎えている。
実車を見ない新たな購買行動の台頭

中古車を買うなら、まず販売店へ行って実車を見る――長く当たり前とされてきた購入行動が変わりつつある。プロトコーポレーション(愛知県名古屋市)が2026年9月1日に発表した「プロト カーユーザー レポート2026」によると、中古車ユーザーの44.2%に実車を確認せずに購入した経験があった。内訳は、現在もその車を運転している人が31.3%、過去に実車を確認せず購入した経験を持つ人が12.9%となっている。
同調査では、購入時に訪問した店舗数を1店舗のみとする回答が62.8%を占め、店舗を訪問しなかった層も11.1%にのぼる。店舗を何軒も回って実物を比べる買い方から、ネット上で候補を絞り、少ない訪問回数で決める買い方への変化がうかがえる。
背景には、スマートフォンの普及だけでは説明できない市場の変化もあるだろう。日本の全就業人口の8.7%を占める自動車産業では、新車市場の電動化が中古車市場にも変化をもたらしてきた。車両価格全体が上がり、保有期間も長くなっている。それにともない、車両の状態を確かめるための情報や評価の手段も増えてきた。
消費者が実車を見ずに購入する背景には、購入を取り巻く情報のあり方と経済的な前提の変化があるのだ。