なぜ千葉県の魅力度は年々「ダダ下がり」なのか? 5年間で7ランクもダウン! ディズニーも成田空港もある県で何が起きているのか――観光大国を悩ませる「評価の落差」とは
レジャー資源で全国1位を誇りながら、魅力度ランキングは19位に低迷する千葉県。TDRや成田空港を擁し、県内総生産約20.8兆円の経済規模を持ちながらも、滞在や消費の県内循環には結びついていない。「点の集客」の限界を脱し、真の地域ブランドを確立するための処方箋をデータから読み解く。
資源をつなぐ面の連携とデータ活用

魅力度が下がった理由を探る際、施設の新設や大規模イベントの誘致ばかりに注目するのは危うい。前述の実証分析で共分散構造分析(SEM)を用いた「観光消費創造モデル」では、「観光資源」が宿泊施設などの「観光インフラ」への投資を促し、そのつながりを示す数値は0.634となっている。さらに、インフラへの投資が「観光プロモーション」を後押しし、最終的に「観光消費」を生み出すという流れが確認されている。
千葉県は三方を海に囲まれ、九十九里平野や下総台地など起伏の少ない地勢を持つ。温暖な気候のもと、梨や落花生などの農産物、イワシやアサリなどの水産物が豊富に揃っている。すでにレジャー分野で全国1位の評価を得ている以上、既存の強みをこうした独自の地理的・文化的資源と結びつけ、旅行者が県内の広い範囲を巡る仕組みを作ることが先決だ。
近年、訪日外国人の86.7%が個人旅行(FIT)を選ぶようになり、旅行者はSNSなどを通じて地域を厳しく比較している。こうした変化に対応するには、個々の宿泊施設を改修するだけでは不十分だ。
・街並みを含む地域全体の改善
・観光地域づくり法人(DMO)を中心としたデータの活用
が欠かせない。下呂温泉で進められているデータに基づく周遊の促進や、長野県松本市で官民が連携して進めた方針づくりのように、客観的な数値を基に地域の観光を運営することが求められる。
旅行前の認知獲得から、旅行中の快適な滞在、旅行後の関係人口づくりまで、一連の流れを考えることも重要だ。AIオンデマンド交通やMaaSなどを活用して、半島ゆえの末端部での移動手段の不足を補い、点在する観光資源をつないでいく。こうした取り組みを積み重ねることで地域の認知度を高め、宿泊や飲食などの消費機会を増やせるだろう。