4月に再募集 「ご当地ナンバー」は実際、地域振興に役立っているのか?

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国交省が地方版図柄入りナンバープレートの導入地域を新たに募集。町の名前を広めることに腐心している地方自治体関係者に光は差すか。

ご当地ナンバーの歴史

山梨県富士吉田市の「富士山」ナンバープレート(画像:国土交通省)
山梨県富士吉田市の「富士山」ナンバープレート(画像:国土交通省)

 国土交通省は2022年4月26日、地方版図柄入りナンバープレート(デザインナンバープレート)の導入地域を新たに募集すると発表、同時に新しい「ご当地ナンバー」導入も公表した。デザインナンバープレートは、以前から市町村が交付する原動機付自転車や小型特殊自動車などに一部で導入されていた。

 しかし、2019年開催されたラグビーワールドカップや2020年に開催が予定されていた東京五輪の機運を高めること、大会運営費を賄うなどの目的から対象範囲を拡大。ラグビーワー仕様のデザインナンバープレートは2017年4月から、東京五輪仕様のデザインナンバープレートは2017年10月から交付を開始。希望者は1ナンバーにつき1000円以上を寄付すれば自家用車・オートバイなどにもデザインナンバープレートを交付してもらえるようになった。

 寄付金は寄付控除対象になることもあり、多くのデザインナンバープレート希望者を集め、東京五輪仕様のデザインナンバープレートには総額で約8000万円の寄付が集まった。これらデザインナンバープレートによる寄付金は、大会運営費・スポーツ振興などに充てられたため、地方自治体への恩恵は限定的だった。

 それらが一定の成果をあげたことから、国土交通省は2018年から各地の運輸支局が交付するナンバープレートにもデザインナンバープレートを導入。ラグビーワールドカップや東京五輪と同様に、各地の陸運支局が交付するデザインナンバープレートも1000円以上の寄付金を必要とした。

 これらは、地方自治体の観光振興などの財源に充てられる。一方、ご当地ナンバーを交付してもらうのには寄付金が必要ない。しかし、地方からの期待はデザインナンバープレートより高い。

 ご当地ナンバーについては段階的に拡大してきた歴史がある。まず、その歴史を振り返ることで、それまでの経過や問題点などを再確認しておこう。

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