トヨタ・ホンダは大ピンチ? 米国圧力で崩れる日本の「FCV」優遇策、このままEV覇者・米中に敗北するのか
補助額3倍の優遇措置にメス。日本政府はFCV偏重のCEV補助金制度を見直す方針を固めた。背景には、米国による「非関税障壁」との指摘と、関税交渉の妥結がある。EV中心に動く世界市場に向け、日本の電動車戦略は今、大きな転換点を迎えている。
FCV優遇の陰に潜む国際摩擦

経済産業省が定めるCEV補助金は、2024年度から、従来の車両性能評価に加え、グリーントランスフォーメーション(GX)実現に資する要素を総合的に評価する制度へと改められた。補助額はその評価結果に基づき決定されている。
2025年度の補助金は、2024年度補正予算の1100億円を原資とする。次世代自動車振興センターの公式サイトでは、車種ごとの補助額が公開されている。具体的には、
・軽EV:58万円
・EV:90万円
・PHV:60万円
・FCV:255万円
となっている。なお、メーカー希望小売価格(税抜)で840万円を超える車両には、補助額に価格係数0.8が適用される。FCVに対する補助金が突出して高いのは、
「車両価格が他の電動車よりも高い」
ためだ。たとえば、トヨタ「ミライ」は約860万円、ホンダ「CR-V e\:FCEV」は約809万円(いずれも税込)と、導入ハードルが高いため、補助金による販売支援が不可欠となっている。
FCVは、日本メーカーが技術的に先行する分野であり、政府も国家戦略の一環として位置づけている。経産省は、水素活用拡大に向けて重点地域を選定。官民連携で燃料電池商用車の導入促進と周辺需要の創出に取り組んでいる。
一方で、EVで先行する米国は、日本の補助金制度に対して強い懸念を示してきた。2025年3月、米通商代表部(USTR)は「貿易障壁報告書」で、CEV補助金制度を非関税障壁と位置づけ、日本市場への参入を妨げる要因と批判した。この米国側の圧力を背景に、日本政府はFCV優遇の見直しを迫られた格好だ。