購入者わずか1割! マンション住民のほとんどが「EV」所有に踏み切れないワケ

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普及に向けた取り組みが世界的に加速しているEV。しかし日本国内ではその購入者の実に9割が戸建て住宅の居住者だ。マンション住民がEVに手を出しづらい現状をあらためて考える。

日本の住宅は43%が集合住宅だが

電気自動車のイメージ(画像:pixabay)
電気自動車のイメージ(画像:pixabay)

 2021年12月、トヨタが大々的なバッテリーEV(電気自動車)戦略を発表した。2030年までに30種類のEVを新たに発売し、2030年には年間350万台の生産を目指すというものだ。

 大規模なEV戦略を立てているのはトヨタだけではない。フォルクスワーゲンなども、2030年には生産台数の半分をEVにすると語っており、世界的に見てもEVの販売はますます活発になっていくとみられる。

 しかしEVには弱点もある。そのうちのひとつが、マンションをはじめとした集合住宅での充電事情。集合住宅に住んでいる場合、EVの充電が難しくなるのだ。

 総務省の「住宅・土地統計調査(2018年)」によると、国内の住宅総数(5364万5000戸)のうち戸建て住宅の割合は53.6%。一方、マンションなどの集合住宅も43.%と半数近くを占めている。

 また経済産業省の資料(「電気自動車・プラグインハイブリッド自動車の充電インフラ整備事業費補助金について」2017年6月)によれば、EV試乗希望者の割合は戸建て住宅60%、集合住宅40%と住宅数とほぼ相関しているのに対し、実際のEV購入者は戸建て90%と集合住宅10%と大きな開きがある。

 今後のさらなるEV普及において、日本の住宅事情が大きな課題になるのは間違いだろう。

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