なぜ日本の「マイカー自粛デー」は広がらないのか? 高い車依存、公共交通の弱点が阻む普及の壁とは

キーワード :
自家用車普及率が世帯1台超、公共交通利用はコロナで約3割減。ノーマイカーデーは浸透せず、地域実情に即した制度設計と市民参加促進が普及のカギだ。

公共交通離れと利用率の低迷

2020年以降、バスの利用者数は約2割減少…(画像:写真AC)
2020年以降、バスの利用者数は約2割減少…(画像:写真AC)

 ノーマイカーデーの普及にとって、もうひとつの大きな障壁となっているのが、コロナ禍による公共交通離れである。国土交通省の「地域の公共交通を取り巻く現状と検討の視点・課題」によれば、2020年以降、全国の鉄道利用者数は約3割、バス利用者は約2割減少した。2023年度時点でも、利用者数はコロナ前の水準に戻っていない。感染リスク回避のため自家用車を選択する動きが強まり、公共交通の利用頻度が大幅に低下した。

 さらに、国土交通省が令和5年度に実施した「交通政策に関する世論調査」では、週1回以上公共交通を利用する人の割合は25.1%にとどまっている。かつて掲げられた30%の目標には届いていない。この低迷した利用率は公共交通事業者の収益減少を招き、運行本数の削減やサービス水準の低下につながっている。

 この結果、公共交通の利便性はさらに低下し、自家用車依存が一層強まる悪循環が生まれた。ノーマイカーデーの施策が実効性を持つためには、公共交通の信頼性と利便性の確保が不可欠だ。しかし現時点で、その条件は十分に整っているとはいい難い。

全てのコメントを見る