なぜ日本の「マイカー自粛デー」は広がらないのか? 高い車依存、公共交通の弱点が阻む普及の壁とは

キーワード :
自家用車普及率が世帯1台超、公共交通利用はコロナで約3割減。ノーマイカーデーは浸透せず、地域実情に即した制度設計と市民参加促進が普及のカギだ。

ノーマイカーデーの目的と現状

自家用車を使わないノーマイカーデーの課題とは?(画像:写真AC)
自家用車を使わないノーマイカーデーの課題とは?(画像:写真AC)

 ノーマイカーデーとは、自家用車の利用を控え、公共交通や自転車、徒歩など環境負荷の少ない移動手段を推奨する取り組みである。地球温暖化対策や交通渋滞の緩和、都市の環境改善を目的に、自治体や企業が主体となって呼びかけを行っている。北九州市では毎週水曜と金曜を「ノーマイカーデー」と定め、市民や事業者にマイカー通勤の自粛を促している。

 この取り組みは1971(昭和46)年、東京都八王子市で初めて実施された。その後、全国各地に広がったが、現在も全国的な定着には至っていない。国土交通省の「令和7年版 交通政策白書」では、公共交通の利用促進や交通需要マネジメント(TDM)の推進が依然として課題とされている。ノーマイカーデーはその一環として位置づけられている。

 ノーマイカーデーが施行されれば、都市部の交通量減少による通勤時間の短縮が期待される。大気汚染の軽減や騒音の抑制にもつながる。さらに、CO2排出量削減を通じて地球温暖化対策に寄与し、持続可能な都市環境の形成に貢献する可能性がある。

 しかし実際には、参加率や認知度が低い。自治体の呼びかけに対する市民の反応も限定的である。なぜノーマイカーデーは普及しないのか。本記事では、その背景と課題を解説する。

全てのコメントを見る