あなたはロング派?クロス派? 永遠の「鉄道シート」論争、通勤・近郊型にふさわしいのはどちらだ
JR九州の福岡都市圏では、ドアに近い転換クロスシートを撤去したことが話題に。理由は、通勤・通学時間帯でドア付近が混雑しているためだという。結局、ロングシート・クロスシート論争に決着はつくのか。
JR東海中央本線の新車はロングシート

この春、JR東海の中央本線・名古屋~中津川間に315系が導入された。全車ロングシートの車両で、この区間を8両編成に統一することになった。
この区間には「セントラルライナー」という転換クロスシートの座席指定制列車が存在していたこともあるが、その列車はなくなってしまい、転換クロスシートのまま中央本線で使用されていた。
だがこの路線は名古屋圏への通勤路線ということもあり、時間帯によっては大きく混雑する。その状況に合わせるため、ロングシートとなった。なお、全列車8両編成にするのは列車により編成両数が異なっていたため、乗り切れない列車もあったということが問題になった。8両よりも多い編成の列車があったものの、本数増で解決した。
一方、この区間で使用されていた転換クロスシート車が、今度は静岡エリアに転属した。静岡エリアは、ロングシートの短編成列車が高頻度で運転され、それが地元の人には受け入れられている一方、そのエリアを乗り通す「青春18きっぷ」の利用者には苦痛だことがよくいわれている。ここに転換クロスシート車が導入されることで、鉄道ファンには大きな話題になっている。
ロングシートにせよクロスシートにせよ、どちらもメリット・デメリットや、路線や列車の特性に合っているかどうかという問題があり、一概にはいえないというのが妥当な見方だ。その中で、デュアルシート、あるいはL/Cカーの導入というのが進んでもいいとは思われるが、増えにくい現状もある。
さて、ロングかクロスか――の論争は今後、どう決着していくのだろうか?