あなたはロング派?クロス派? 永遠の「鉄道シート」論争、通勤・近郊型にふさわしいのはどちらだ
JR九州の福岡都市圏では、ドアに近い転換クロスシートを撤去したことが話題に。理由は、通勤・通学時間帯でドア付近が混雑しているためだという。結局、ロングシート・クロスシート論争に決着はつくのか。
JR九州で転換クロスシートが撤去

JR九州の福岡都市圏では、ドアに近い転換クロスシートを撤去したことが話題になっている。福岡市の『西日本新聞』によると、鹿児島本線・日豊本線・長崎本線などで走る813系の普通電車で、2021年3月から一部座席の撤去を開始した。
理由としては、通勤・通学時間帯でドア付近が混雑しているため、混雑緩和とスムーズな乗降のために行っているという。
確かに、転換クロスシート車は座る人にとっては快適だが、立つ人にとってはドア付近しか多くの人が立てる場所がないという問題もある。
JR九州では、813系より後に導入した車両ではロングシートが中心となっており、福岡エリアに導入された817系はロングシート(ほかの817系には転換クロスシート車がある)、821系はロングシートだ。
813系の転換クロスシート撤去の場合、座れる箇所がロングシートに比べても少なく、ただ座席を減らしてしまうということをやったため、反発が大きかったことと考えられる。
JR九州は、在来線列車は長距離の運用があっても、乗る人は短距離しか乗らないという現実を踏まえて、最近の車両はロングシートにしているということになる。
最近話題になった813系は、1994(平成6)年に登場した車両であり、セミクロスシートが当たり前だった時代に登場したものだ。乗客の環境を向上させるために設備をよくする、ということが多くのJRで行われた時代のことである。
その後、コストカットのために編成縮小という流れが各JRで強まっていく。最近ではロングシートの新造車両が多くなってしまった。