嵐・BTS・ガルパンがお手本? エンタメが変える、コロナ後の新たな「移動概念」とは

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コロナ後、自粛されてきた「移動」はどう変化していくのか。エンタメコンテンツを通して考えた。

コロナ禍に負けないファンの「地域愛」

商工感謝祭&大洗あんこう祭オンラインのメインビジュアル(画像:大洗観光協会)
商工感謝祭&大洗あんこう祭オンラインのメインビジュアル(画像:大洗観光協会)

 以上、コンテンツツーリズムにより、人や情報の「移動」が活性化するポジティブ面に光を当ててきた。しかし、状況は2020年からのコロナ禍で一変し、グローバルな「移動」は大きく制限されるようになっている。

 コンテンツツーリズムも例外なく、

・観光入込客数の減少
・関連イベントの中止や延期、規模の縮小

などと大きな打撃を受けている。私たちはコロナ禍で自粛を強いられているため、そもそもエンターテインメントを自由に楽しめていない。

 その一方、愛着のある場所や人を支えようとする動きも見られる。

 例えば、2012(平成24)年放送開始のアニメ『ガールズ&パンツァー』の舞台となった茨城県大洗町では、巡礼者とのオフライン(現地)、オンラインでの継続的な交流を通じて、前述の「地域のファン」との結びつきを強めてきた。

 同町の観光協会はコロナ禍で活気を失った町を支援するためにクラウドファンディングを企画し、3500万円以上が集めた。「本当は大洗に行きたいが、町に迷惑をかけたくない」と訪問を自粛するファンも多いなか、クラウドファンディングは彼らの「心のツボ」を押さえた。これは、コロナ禍以前から築き上げてきた強固な関係性あってこそ成り立つものと言える。

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