日産はなぜ「2万人」もリストラするのか? ゴーン後遺症とEV戦略迷走、アセンブラー転落の危機! 7人に1人が消える衝撃の「Re:Nissan」を考える
日産自動車は、2025年5月13日に発表した経営再建計画「Re:Nissan」において、2万人規模の人員削減を明らかにした。これは2007年以来18年ぶりとなる大規模なリストラで、国内外でコスト削減だけではなく、企業構造の根本的見直しが進行中であることを示唆している。日産の再建策は、業績不振から抜け出すための岐路に立たされている。
外資依存の代償

1999(平成11)年に始まったルノーとの資本提携は、財務体質改善に寄与したが、自社独自の技術戦略を弱め、技術開発の主体性を奪った。ポスト・ゴーン期には、提携先との機能分担が曖昧になり、特にEV領域で戦略の整合性が欠如している。この結果、技術への意思決定は現場主導から遠ざかり、競合他社との開発速度の差が致命的な水準に達しつつある。
日産の現状は、業績不振だけではなく、日本の輸送機器産業が抱える構造的課題を象徴している。製造拠点の固定費負担が重く、労働市場の硬直性や国内市場の縮小が成長戦略の選択肢を制約している。開発体制の絞込みと供給機能の外部委託は資本コスト削減には合理性があるが、それが中長期的な市場シェアや企業ブランドの維持に結びつくかは不透明だ。
もしEVやSDVに本格参入しないのであれば、それは競争市場からの撤退を意味する。参入するのであれば、開発資源の再投入と迅速な意思決定が不可欠だ。いずれにせよ、現時点で日産の姿勢は明確ではない。削減と集約を優先するなかで、戦略の論理構造が欠け、構造改革が目的化している。これが国内外の関連企業やサプライヤーに与える波及効果は大きく、失敗すればその影響は日産一社にとどまらない。
自社製造による産業基盤を維持するのか、資本効率を重視した業態に転換するのか、その岐路に立たされている。製造業に求められるのは、雇用や技術継承の担保という経済機能の持続に対する責任だ。もし日産がそれを果たせないのであれば、産業構造の大規模な再設計を迫られる局面が早く訪れるだろう。