春の珍事!? ジムニー&ロードスター「4月販売台数」前年2倍超! SUV・HV一強の裏で一体何が起きたのか?
電動化と実用志向が支配する市場で、異色の2モデルが急浮上――4月の乗用車販売台数でスズキ・ジムニーとマツダ・ロードスターが前年比2倍超を記録。中高年層の「意味消費」が映す、自動車市場の深層構造とは。
販売データに現れた二つの“例外車”

日本自動車販売連合会は2025年5月8日、2025年4月の乗用車ブランド通称名別ランキングを公表した。乗用車の総販売台数は19万1066台で、前年同月比で105.2%となった。
ランキングのトップ10では、4位のホンダ・フリードを除き、トヨタ車が1位から10位までを独占した。ヤリスは登録車と軽自動車を合算した数字で、4か月ぶりに首位に返り咲いた。
一方、11位以下では異変が見られた。スズキのジムニーが15位、マツダのロードスターが28位に入り、いずれも販売台数を急伸させている。前年比で2倍以上、前月比でも二桁増を記録した(画像参照)。
注目すべきは、これらの2車種がスポーツタイプ多目的車(SUV)やハイブリッド車といった主流のトレンドに属さない点だ。にもかかわらず大きく順位を上げたことで、市場構造の変化を示唆する動きとも受け取れる。
本稿では、ジムニーとロードスターの販売急増の背景を探る。消費者心理の変化を読み解きながら、自動車市場に起きつつある構造変化の兆しを明らかにしていく。