機体空中分解で110人死亡! さらに130億円横領もあった最悪航空会社、台湾「ファーイースタン航空」をご存じか
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台湾有数の航空会社だったファーイースタン航空は、老朽機材の更新失敗、不透明な資金調達、不動産投資への傾斜、そして経営トップの経済犯罪によって、2019年に突如運航を停止した。本稿では、その破綻までの経緯と経営判断の問題点を検証し、航空業界における持続可能な経営の要件を探る。
ずさん経営が招いた空中分解

ファーイースタン航空、とりわけ経営陣の失態は目を覆いたくなるほどひどい。不動産開発の失敗を補うために航空会社を利用し、機材更新など本業への投資を怠った。こうした姿勢は、航空業界が好きで経営しているとは到底思えない。記事執筆のため同社を調べた筆者(前林広樹、航空ライター)も、先進国の航空会社でここまで杜撰な経営を目にしたのは初めてだった。驚きを隠せなかった。
台湾はもともと航空機事故が多い国である。老朽化した機材が原因の事故も起きており、2002年には尻もち事故の不適切な修理によって機体に亀裂が入り、空中分解するという悲劇もあった。そのため、当局も利用者も安全性には極めて敏感だ。それにもかかわらず、ファーイースタン航空は老朽化した機材を使い続けた。製造から20年以上経過した機体を運航に使い続けたのだ。
自社が台湾航空史上で2番目に死者数の多い事故を起こしていながら、安全性を軽視する行動は到底許されない。言語道断というほかない。もし擁護の余地があるとすれば、国内線市場がまだ活発だった1990年代から2000年代前半に、遠距離国際線へと軸足を移していればよかった。そうすれば、エバー航空やスターラックス航空のような地位に立つことも不可能でなかったはずだ。
もっとも、エバー航空はもともと台湾の大財閥傘下で資金が豊富だった。スターラックス航空もエバー航空の元トップが率いており、資金調達で有利な立場にあった。横領、そして老朽機材の放置。ファーイースタン航空の行為は、近年の航空会社の中でも類を見ないほど杜撰だった。
ただし、台湾にはもう一社、2010年代に大きな問題を起こした航空会社が存在する。
その会社については、あらためて次の記事で取り上げる。