「もう怒りしかない」なぜ宅配の荷物は投げられたのか? ネットで話題! 置き配が“投げ配”に変わる衝撃、50億個の物流を支える構造と歪みとは

キーワード :
, ,
置き配が市民権を得る一方で、“投げ配”の実態がSNSで波紋を広げている。背景には、年間50億個超の宅配物量と評価制度に縛られた現場の疲弊がある。丁寧さが「コスト」と見なされる時代に、物流の当たり前を問い直す必要がある。

“効率化”という名の幻想

置き配イメージ(画像:写真AC)
置き配イメージ(画像:写真AC)

 そもそも、置き配という仕組み自体が、「物流の最終区間 = ラストワンマイル」の負荷を最小限に抑えるために導入されたものだ。

・再配達の削減
・受け取りの利便性向上
・配達員の負担軽減

理想的には三方よしのはずだった。

 しかし実際には、その利便性の裏側で別のひずみが生まれている。例えば、置き配の多くは玄関前に無防備に置かれ、盗難や破損といったリスクが消費者に転嫁される。企業にとっては配送完了の通知がシステム上で完結する一方で、受取人が不在時に荷物が何らかのトラブルに見舞われても、その責任の所在は曖昧だ。

 さらに、置き配を前提とした物流設計では、荷物の扱いにかかる丁寧さが最初から想定されていない。つまり、壊れにくいものを届けることが前提の配送となり、壊れやすいものに対しては

「自己責任を暗に強いる構造」

になっている。

全てのコメントを見る