「四駆で砂浜はヤバい?」 ビーチ走行がもたらす生態系破壊! ウミガメ圧死の現実、回復には10年以上も…豪研究で明らかに
世界遺産にも登録される美しいビーチが、四輪駆動車による走行で深刻な生態系への影響を受けている。オーストラリアの研究が明らかにしたその損害は、わずか1台の車でも巨大な影響を及ぼすことを示唆している。各州で進む規制強化と、清掃活動の重要性とのジレンマが浮き彫りに。
海岸への車両乗り入れ規制の機運

ブライビー島はクイーンズランド州モートン湾北部に位置する人気の観光地だが、車両の乗り入れ過多が問題視されている。米「ABCニュース」によると、観光シーズンの特定時期には、島の野生生物に壊滅的な影響を与える可能性があるという。
ブライビー島国立公園の環境保護チームメンバーであるダレン・ジュー氏は
「満潮時のブライビー島にはほとんどビーチがないので、大混乱になります」
と話す。1日で1200台もの車がビーチに乗り入れることもあるという。
過去には、アカウミガメが産んだ卵が違法走行車両によって踏みつぶされた事例もある。また、孵化したばかりの子ガメが海へ向かう際、4WD車両の轍が障害となる。轍にはまった子ガメの一部は海にたどり着けず、孵化地点から500mも離れた場所で脱水状態で死亡していた。
ビクトリア州ではすでにビーチでの車両走行が禁止され、南オーストラリア州でも関連法が厳格化されている。今後、他の州でもビーチでの車両運転に対する規制強化の機運が高まるだろう。しかし、これにともなう問題も多い。