「四駆で砂浜はヤバい?」 ビーチ走行がもたらす生態系破壊! ウミガメ圧死の現実、回復には10年以上も…豪研究で明らかに

キーワード :
,
世界遺産にも登録される美しいビーチが、四輪駆動車による走行で深刻な生態系への影響を受けている。オーストラリアの研究が明らかにしたその損害は、わずか1台の車でも巨大な影響を及ぼすことを示唆している。各州で進む規制強化と、清掃活動の重要性とのジレンマが浮き彫りに。

海岸生態系に深刻な影響

クガリ島の位置(画像:OpenStreetMap)
クガリ島の位置(画像:OpenStreetMap)

 研究の主筆、トーマス・シュラフター氏によると、世界20か所のビーチに生息する昆虫、爬虫類、鳥類など253種の生物すべてが車両走行による深刻な被害を受けているという。四輪駆動車が沿岸砂丘の生態系に

「明白に深刻で広範囲にわたる損害」

を引き起こしており、ビーチでの運転に「安全なレベル」は存在しない。このため、生態系を守るためには車両の通行を完全に禁止すべきだという結論が導かれた。

 車両走行によるストレスで海岸の植生は、豊かさ、面積、多様性、生産性が大幅に減少し、群集の構成と構造が大きく変わる。その結果、生態系の劣化が急速に進行する。

 最初の数回の車両通行でダメージは最大になり、1台の車両の通行でも海岸の生態系に大きな損害を与える。その後、車両の乗り入れが禁止されても、回復には10年以上かかることもある。

 シュラフター教授は、ノースショア、レインボービーチ、クガリ島、ブライビー島などの人気ビーチで砂浜での運転が許可されているクイーンズランド州が、生態系への被害を最もよく示していると述べている。

「クイーンズランド州南東部には、四輪駆動車が引き起こす深刻な危害に関する、おそらく世界で最も強力な証拠基盤があります」

とシュラフター教授は指摘する。今回の研究は、美しい海岸への車両乗り入れは原則的に禁止すべきだということを示唆している。

全てのコメントを見る