最近「光るナンバー」を見かけないワケ! LED、安全装備、若者のクルマ離れ…半世紀の光と影、そして復活への道を考える

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字光式ナンバープレートは、技術革新と社会の変化により減少傾向にある。しかし、デジタルナンバープレートとの融合や新たな機能の可能性が期待され、再注目されつつある。経済的負担や若者の価値観の変化が影響を与えるなか、未来のモビリティ社会で新たな価値を生む可能性が残る。

光の起源と衰退の始まり

字光式ナンバープレート(画像:旭化成テクノプラス)
字光式ナンバープレート(画像:旭化成テクノプラス)

 字光式ナンバープレートは、ナンバーの文字部分を裏から照らし、夜間の視認性を高めるためのものだ。日本では1970年代から登場し、豪雪地帯でナンバープレートに雪が積もり、文字が読み取れなくなる問題を解決するために開発された。

・発光による「視認性向上」
・光源の熱による「融雪効果」

が狙いだった。

 当初は実用的な目的が強かったが、時代とともにその役割は変化していった。1980~1990年代のバブル期、ハイソカーや4WDの人気が高まり、夜間に独特の光を放つ点がドレスアップの一部として人気を集め、個性を重視するドライバーに支持された。

 しかし、21世紀に入るとその人気は次第に衰え、最近はあまり見かけなくなった。かつては時代を象徴する存在だった字光式ナンバーは、現在、実用性と装飾性のバランスを再考する時期を迎えている。

 なぜその光は陰りを見せているのか。本稿では、技術革新や社会の変化を背景に、字光式ナンバープレートの減少理由と今後の可能性を探る。

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