トヨタ、EV戦略に急ブレーキ! レクサス「全車EV化」撤回検討の理由とは? 認証不正の影響? 戦略変更を繰り返す理由を考える
EVシフトを巡るトヨタの戦略が転換点を迎えている。レクサスのEV専用ブランド化の撤回検討、福岡県の電池工場建設延期――。背景には、世界的なEV需要の減速と市場環境の変化がある。2030年350万台のEV販売目標も修正が視野に。マルチパスウェイ戦略を軸に、成長市場では攻勢を強めつつ、HVやFCVにも注力するトヨタの次の一手とは。
「レクサスEV化撤回」揺らぐ戦略軸

市場成長の鈍化が続くなかでも、電気自動車(EV)の普及は緩やかに進んでいる。そうした状況下で、トヨタ自動車は「マルチパスウェイ戦略」を展開してきた。しかし、同社の戦略に変化の兆しが見え始めている。
日刊自動車新聞は2025年3月25日、トヨタが2035年に高級ブランド「レクサス」をEV専用ブランドにする方針の撤回を検討していると報じた。さらに、同社が福岡県で計画していたEV向けリチウムイオン電池工場の建設を延期する方針も、複数のメディアが伝えている。
トヨタはなぜ戦略を転換するのか。本稿では、その背景を探り、マルチパスウェイ戦略が今後どのように加速するのかを考察する。