「駅のゴミ箱」なぜ消えた? 地下鉄サリン事件から30年! 撤去で不法投棄増加の悪循環? セキュリティと利便性の両立は可能なのか

キーワード :
, ,
地下鉄サリン事件から30年、ゴミ箱撤去の課題は依然として解決されていない。観光地では不法投棄が増加し、衛生問題が深刻化する中、スマートゴミ箱などの新技術導入が進むが、高コストが障壁に。市民協力と適切な管理方法の模索が今後のカギとなる。

撤去後のゴミ問題激化

駅のゴミ箱(画像:写真AC)
駅のゴミ箱(画像:写真AC)

 その後、復活したゴミ箱は以前よりも厳格に管理されるようになった。事件前、営団地下鉄には約500セットが設置されていたが、再設置されたのは半分以下の220セットだった。利便性と乗客の安全を考慮し、係員の目の届く範囲にのみ設置されることになった。

 安全面での懸念から再設置が躊躇されたゴミ箱が復活した背景には、撤去後に発生したさまざまな問題があった。サリン事件直後から、撤去による問題は頻発していた。確かに乗客の警戒心は高まったが、営団地下鉄のゴミ回収量は1995年3月に約69tだったのが、4月には33tに激減した。車内に捨てられていた新聞や雑誌もほとんど姿を消した。

 だが、残りの33トンはどうなったのか――。

 一部の人々は会社や自宅にゴミを持ち帰って捨てていたが、不法投棄も増加していた。特にゴミの不法投棄が集中した場所は

「トイレの個室」

だった。以前からゴミ箱には生ゴミなど家庭ゴミが目立っていたが、撤去されると、トイレには空き缶に加え、ビニール袋に詰めた生ゴミが積み重なっていった。

全てのコメントを見る