荷物の置き場に難儀? 京成電鉄「貨客混載」実験から見えた課題と可能性とは

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2020年以降、農産物などを旅客列車に載せて輸送する「貨客混載」が全国的に広がっている。京成電鉄の実証実験を取材した筆者の感想とは。

貨客混載では異例の中間駅から乗車

成田空港駅の自動改札機を通り抜ける岩井店長(画像:岸田法眼)
成田空港駅の自動改札機を通り抜ける岩井店長(画像:岸田法眼)

 3月19日の13時5分過ぎ、京成佐倉駅の駅長室から京成友膳の岩井宏禎店長がキャリーカートにレタス、シイタケ、サツマイモを入れた段ボール箱2カートン分(約10kg)を載せて姿を現した。エレベーターに乗り、下りホーム3・4番線へ。商品保全の観点からか、段ボール箱は材質が硬いものを使用しているという。

 13時26分、都営浅草線西馬込始発の快速成田空港行きが到着。ここで3分停車し、岩井店長が先頭車(1号車)に乗車する。車内は海外渡航客が多く、通路にキャリーバッグやスーツケースが並ぶ。実証実験では、どの時間帯の旅客列車で運搬するのかは決めていないという。

 岩井店長は先頭車中央の乗降用ドア付近で立つ。ただ、前方にはフリースペース(車いす&ベビーカー用)があり、そこへ立ったほうが乗降の妨げにならないと筆者は感じた。その疑問を伊藤課長にぶつけてみると、「お客さまのスペース」という理由で、立たないという。仮にフリースペースに運搬の野菜などを置き、途中で車いすの利用客が乗ってくると、移動を余儀なくされる。

下車は自動改札機を使用

京成佐倉駅からキャリーカートで運ぶ(画像:岸田法眼)
京成佐倉駅からキャリーカートで運ぶ(画像:岸田法眼)

 13時54分、終点成田空港に到着。乗客が先に降車したあと、野菜等を載せたキャリーカートが続く。実証実験のため、筆者は有人改札を通り抜けていくと思っていたが、意外にもきっぷを自動改札機に投入する形で下車した。

 京成電鉄の京成高砂~空港第2ビル・成田空港間は本線経由と成田空港線経由で運賃が異なるため、実証実験の舞台となった本線経由の利用客は自動改札機を2回通り抜ける(後者は1回)。その後、空港第1ターミナルビル4階の京成友膳に運ぶ。

 搬入後、シイタケ、サツマイモは天ぷらとして揚げられ、取材陣は「大海老天ざるそば」を試食。価格は1450円だった。

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