物流止まれば日本終了! もはや「エッセンシャルワーカー」なんて“横文字”でお茶濁してる場合じゃない? 企業「倒産328件」の深刻さとは
「エッセンシャルワーカー」という言葉の欺瞞

物流の現実を前に、政府やメディアは「エッセンシャルワーカー」という言葉を使って美談を作りたがる。しかし、それでは根本的な解決にはならない。
「あなたたちは社会にとって不可欠な存在です」
と言葉だけで持ち上げても、労働環境が改善されなければ問題は解決しない。「必要だから頑張ってください」といわれても、過酷な労働環境のままでは人は離れていく。現場からすれば、
「それなら給料を上げてくれ」
「荷主・荷受け対応をなんとかしてくれ」
といった声があがるのが現実だ。物流の現場で働く人々に対して「エッセンシャルワーカー」と横文字で無責任に称賛することは、むしろ
「問題の本質をぼかす欺瞞」
に過ぎない。彼らはただの「エッセンシャルワーカー」ではない。彼らがいるからこそ、私たちの生活は成り立っている。物流の担い手がいなくなれば、日本社会は機能しなくなる。その危機を直視しなければならない。物流事業者こそが「日本を終わらせない職業」である。
この現実に直面した際、メディアや政治家、企業の発信は十分だろうか。物流は単なる裏方業務ではなく、社会の生命線であり、その価値を「真正面から伝える言葉」が圧倒的に不足している。
「エッセンシャルワーカー」
「サプライチェーン」
「ロジスティクス」
といった専門用語を並べても、一般の人々には伝わらない。これらの言葉が理解できるのは、専門家や業界関係者、ステークホルダー、物流オタク、物好き、または暇人に限られる。
「物流が崩れれば、明日からスーパーに何も並ばない」
「救急患者に必要な薬が届かない」
といった、生活に即した表現が求められる。物流事業者こそが「日本を終わらせない職業」であることを、広く伝える必要がある。
問題は制度設計だけではない。物流が社会にとってどれほど不可欠かを、誰もが理解できる言葉で語る力が求められている。単なる「美談」や「専門用語」ではなく、生活に直結する問題として強く訴えかける言葉が必要だ。