物流止まれば日本終了! もはや「エッセンシャルワーカー」なんて“横文字”でお茶濁してる場合じゃない? 企業「倒産328件」の深刻さとは

キーワード :
,
日本の物流業界は今、深刻な危機に直面している。人手不足や燃料費の高騰が影響し、2024年度の倒産件数は328件に達し、過去2番目の高水準に迫っている。物流が止まれば、私たちの生活は一瞬で崩壊する。その重要性を再認識し、今すぐ行動を起こさなければ、日本の未来は危うい。

物流が止まれば日本はどうなるのか

物流トラック(画像:写真AC)
物流トラック(画像:写真AC)

 物流が停止すれば、どのような影響があるか。

 最も身近な例は「食」だ。日本の食料自給率は38%(カロリーベース)に過ぎない。つまり、国内で消費される食料の総カロリーに対して、38%が国内で生産され、残りは輸入に頼っていることを示している。例えば、1000カロリー分の食料を消費すると、そのうち380カロリー分が国内で生産され、残りの620カロリー分は輸入される。カロリーベースは、食料の種類や質にかかわらず、エネルギー供給量を基準にした指標となる。

 大半の食品は遠方から輸送されている。トラック、貨物列車、船舶、航空機がなければ、スーパーの棚は瞬時にスッカラカンになる。物流が1週間でも停止すれば、都市部の食料供給は崩壊し、生活は一変する。震災時に見られた光景が日常化するだろう。地方で生産された食品が、ワープやテレポーテーションであなたの元に届くわけではないことを、遅すぎるタイミングで痛感することになる。

 医療にも同様の影響が及ぶ。病院で使用される薬品や医療機器の多くは、国内外のメーカーから輸送されている。物流が機能しなくなれば、必要な薬が届かず、治療が受けられない患者が続出する。血液製剤のような命をつなぐ物資も例外ではない。物流が止まれば、文字通り「命の血液」も止まることになる。

 また、物流の影響は工場や企業の生産活動にも深刻な影響を与える。部品が届かなければ、製造は停止し、国内外のサプライチェーンが寸断される。実際、2021年には半導体不足が原因で自動車の生産が滞った。物流は単なる「運搬作業」にとどまらず、経済の基盤そのものである。

全てのコメントを見る