私の「アマゾン」「メルカリ」が届かない! ふざけんな! 「物流危機」をまず知るには、このくらいのレベルで十分だ
物流業界は深刻な危機に直面している。人手不足と燃料高騰の影響で、2024年度の倒産件数は328件に達し、物流の停滞が身近な問題となりつつある。消費者は「荷物が届かない」という現実を通じて、物流危機を自分ごととして捉え、解決策を模索する必要がある。
物流は「あるのが当たり前」になった

かつて、通販は「数日待つもの」だった。しかし、今では「翌日届く」「早ければ当日届く」が当たり前になった。
アマゾンの「お急ぎ便」やフリマアプリの「かんたん配送」は、多くの人々に「物流はいつでもスムーズに動くもの」という認識を植え付けた。しかし、この便利さは、物流現場がギリギリの綱渡りを続けた結果にすぎない。
例えば、アマゾンでスマホケースを注文した場合を考えてみよう。
1.倉庫でピッキング作業が行われる
2.仕分けセンターを経由し、トラックに積み込まれる
3.幹線輸送で各地域に運ばれる
4.最寄りの配送拠点で小型トラックに積み替えられる
5.配達員が自宅に届ける
この一連の流れのどこかで人手が不足すれば、当然、荷物は遅れる。そして今、その「どこか」が全国各地で崩れ始めている。
トラックドライバー不足は、もはや一部の地域や特定企業だけの問題ではない。大手物流会社のドライバーですら「もう限界だ」と声を上げ始めている。このままでは何が起きるだろうか。最初に影響を受けるのは、大手企業ではなく、日々の宅配サービスを支える小規模な輸送業者や個人事業主だ。つまり、荷物を直接届けてくれる人たちが真っ先にいなくなるということだ。
便利な物流サービスの裏側には、限界寸前の現場が存在している。今のままでは「翌日届く」というのは特別なサービスに逆戻りし、「数日待つ」のが当たり前の時代に戻るかもしれない。物流危機は、すでに目の前に迫っている。