私の「アマゾン」「メルカリ」が届かない! ふざけんな! 「物流危機」をまず知るには、このくらいのレベルで十分だ
物流業界は深刻な危機に直面している。人手不足と燃料高騰の影響で、2024年度の倒産件数は328件に達し、物流の停滞が身近な問題となりつつある。消費者は「荷物が届かない」という現実を通じて、物流危機を自分ごととして捉え、解決策を模索する必要がある。
「私の荷物」が届かない未来の到来

「荷物が届かないかもしれない」
この言葉を聞いて、どれだけの人が本気で危機感を抱くだろうか。
ネット通販が当たり前となり、クリックひとつで商品が届くのが一般的になった今、物流が止まるなんて状況はほとんど想像できないだろう。しかし、日本の物流業界は今、確実にその歯車が狂い始めている。
「物流危機」や「2024年問題」といった言葉が業界内で飛び交っているが、多くの消費者にとってそれは「他人事」だ。無理もない。物流の大部分は企業間輸送に関わり、消費者の目に触れることはほとんどない。実際、宅配便と企業間輸送の取り扱い量を比べると、企業間輸送が全体の9割を占めている。
とはいえ、この問題を「自分ごと」として捉えるための視点がある。
「自分のアマゾンの荷物が届かなくなるかもしれない」
「自分のメルカリの荷物が届かなくなるかもしれない」
これらは極めて個人的でエゴイスティックな視点かもしれないが、実はそれこそが物流危機を現実の問題として意識するための重要なきっかけになる。
なぜこの視点が重要なのか。本稿ではその理由を探っていく。