テスラ、日本で「高級EV」撤退! しかも株価は半減、マスク氏の政治色が裏目に? 廉価EVとロボタクシーに活路、モデルQで再起なるか?

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テスラは日本市場からプレミアムEVの販売を終了し、廉価EVへの移行を発表した。世界的には販売不振と株価低迷が続くなか、2025年から2026年にかけて投入される新モデルやロボタクシーが、テスラの巻き返しを左右する可能性が高い。

競争激化と市場環境の変化

テスラ・ロボバン(画像:テスラ)
テスラ・ロボバン(画像:テスラ)

 テスラの販売不振は、単なるプレミアムEVの需要減だけが原因ではないとの見方もある。イーロン・マスク氏の政治的発言やトランプ大統領との密接な関係が、消費者の購買行動に影響を与えている可能性が指摘されている。

 3月8日(米国現地時間)、トランプ政権下での政府機関の大幅な人員削減などに反対する抗議行動が、全米各地のテスラ販売店で大規模なデモとして展開された。さらに、テスラのショールームやEV充電ステーションに対する放火や破壊行為も増加している。

 マスク氏に対する反発が一部消費者の購買行動に影響を与えている一方で、より大きな影響を与えているのは、EV市場全体の競争環境の変化である。中国では政府の補助金政策が中国メーカーを優遇する方向にシフトし、BYDやNIOといった中国ブランドが急速にシェアを拡大している。欧州市場でも価格競争が激化し、VWやメルセデス・ベンツなどが廉価EVの開発に力を入れている。マスク氏への反発だけでなく、こうした市場の変化がテスラの販売減少を引き起こしていると考えられる。

 実際にテスラの販売台数は低迷し始めており、2025年2月の販売実績は前年と比較して米国で4か月連続の前年割れとなり、5%減少。ドイツでは76%減、そして中国では49%減と、世界各国で販売が減速している。特に欧州では環境意識の高い消費者が多く、政治的なスタンスを重視する層がテスラを避ける傾向にある。また中国市場では地元メーカーが優位に立ち、政府の補助金政策も中国メーカーのEVを優遇する方向に進んでおり、テスラにとって厳しい環境が続いている。

 こうした状況下で、テスラがどのように巻き返しを図るかが注目される。特にマスク氏がトランプ政権との関わりを深めたことを受け、テスラは大きな転換期を迎えている。

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