内田社長退任後、日産はどう動くのか? 「ルノー・吉利連合」vs「ホンダ・鴻海・テスラ」…提携戦略の最終戦を考える

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日産自動車は内田誠社長の退任に向けた調整を進め、今後の戦略に注目が集まる。ルノーとの提携強化や中国の吉利汽車との協力を背景に、日産はEV市場での競争力を維持できるか。日産の未来は、ポスト内田体制での革新と提携戦略にかかっている。

吉利、右ハンドルEVで日本市場へ参入

ジーカー・009(画像:ジーカー)
ジーカー・009(画像:ジーカー)

 吉利のプレミアムEVブランド・ジーカーが日本市場に進出する準備が整いつつある。ジーカーの開発拠点は、スウェーデンにあるボルボとの共同設立による欧州色の強い体制で、グローバル市場に向けた高性能EVを展開している。特に、若年層や都市部のユーザーに訴求力が高いとされる。

 吉利は2024年8月に、2025年から日本市場に右ハンドル仕様のジーカー3車種を投入する計画を発表した。これらの車種は、SUVの「X」および「7X」、そして高級ミニバン「009」の3モデルで、いずれもすでにタイやシンガポール、香港などの右ハンドル市場で販売されている。特に「009」は、中国市場でトヨタ・アルファードのライバルとして人気を博しており、日本の自動車メーカーにとって脅威となる可能性を秘めている。

 吉利は2024年末までに首都圏、関西、東海地方にショールームを開設する計画をしていたが、現時点では開設されていないようだ。これには販売準備が遅れている可能性もあるが、日産や三菱自動車の系列販売店を活用するための調整が進んでいる可能性もある。

 日産にとっては、ジーカーの日本市場進出およびグローバル市場での台頭にどう対応するかが重要な課題となる。ルノーとのアライアンス下で、日産が独自のブランド戦略を維持しながら、吉利との協業をどのように進めていくかが今後のカギを握る。

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