内田社長退任後、日産はどう動くのか? 「ルノー・吉利連合」vs「ホンダ・鴻海・テスラ」…提携戦略の最終戦を考える
日産自動車は内田誠社長の退任に向けた調整を進め、今後の戦略に注目が集まる。ルノーとの提携強化や中国の吉利汽車との協力を背景に、日産はEV市場での競争力を維持できるか。日産の未来は、ポスト内田体制での革新と提携戦略にかかっている。
ルノー・吉利、新会社設立で提携強化

ルノーと吉利汽車は、2024年5月に共同出資で新会社「HORSE Powertrain(ホース・パワートレイン)」を設立した。このプロジェクトは、両社が2022年11月に発表してから約2年半を経て実現に至った。
ホース・パワートレインは、英国ロンドンに本社を構え、両グループから譲渡された知的財産を基に、エンジンやトランスミッション、ハイブリッドシステム、電池などの先端技術を活用した駆動システムの設計、開発、販売を行っている。
この新会社の成果物として、ルノーは吉利汽車の「星越L」とその兄弟車となる新型ハイブリッドSUV「グランドコレオス」を2024年韓国で発売した。また、ブラジル市場ではゼロエミッション車(ZEV)と低排出ガス車(LEV)の生産および販売に関して、吉利と合意に至った。両社の提携は、グローバル規模で拡大している。
このような提携の拡大が日産にも影響を与える可能性は否定できず、特に新興国市場での競争力強化に繋がると期待されている。ポスト内田体制においては、ルノーと吉利の提携を基に、電気自動車(EV)やエンジン車の共通化戦略を模索する動きが予想される。