内田社長退任後、日産はどう動くのか? 「ルノー・吉利連合」vs「ホンダ・鴻海・テスラ」…提携戦略の最終戦を考える
日産自動車は内田誠社長の退任に向けた調整を進め、今後の戦略に注目が集まる。ルノーとの提携強化や中国の吉利汽車との協力を背景に、日産はEV市場での競争力を維持できるか。日産の未来は、ポスト内田体制での革新と提携戦略にかかっている。
ルノーの好決算と日産の岐路

ブルームバーグは2025年2月27日、日産自動車が内田誠社長の退任に向けた調整を進めていると報じた。退任に向けた動きが加速することで、日産の将来戦略にどのような影響を与えるのかが注目される。
一方、中国の吉利汽車(ジーリー)との提携強化を積極的に推進するルノーは、2024年度の通期決算で過去最高となる営業利益42億6300万ユーロ(約6600億円)を計上し、日産が通期で800億円の純損失を見込んでいるのとは対照的に好決算を達成した。日産の大株主であるルノーは、日産との関係を再定義しつつあり、ポスト内田体制でどのような戦略を選択するのかが注目されている。
本稿では、ホンダとの経営統合が白紙となった日産が、これまで築き上げてきたルノーとのアライアンスを基盤にどのような将来像を描くべきかを考察する。