飛行機と鳥が衝突「バードストライク」の脅威! 年間1500件も発生、そもそもなぜ衝突するのか?

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航空機事故のリスクを高めるバードストライク。2023年には日本で1499件の衝突が発生し、その約4割が夜間に起きている。衝突による損傷はエンジンやノーズが多く、航空業界では新技術を活用した対策強化が急務だ。

鳥の衝突リスクと季節変動

飛行機(画像:写真AC)
飛行機(画像:写真AC)

 2023年にバードストライクの発生件数が最も多かったのは東京国際空港(羽田空港)の121件だったが、これは離発着便数が多いためだ。離着陸1万回あたりでは、出雲空港が18回で最も多かった。

 発生件数は春から秋にかけて増加し、10月がピークとなり、冬季の発生件数は少ない。この季節的な変動は、鳥の行動に関連していると考えられる。

 2023年にバードストライクによる航空機損傷は日本で59件発生したが、事故は0件だった。バードストライクやニアミスの結果として「計画した飛行の変更」が9件、「離陸中止」が28件、「進入・着陸復行」が14件あった。幸いにも事故は発生しなかったが、前年と前々年にはそれぞれ1件の事故が報告されている。

 衝突部位では、ノーズ(前部)が545件(32.8%)と最も多く、次いで翼が339件(20.4%)、エンジン・プロペラが320件(19.2%)となった。一方、破損件数はエンジン・プロペラが19件(32.2%)と最も多く、次いでノーズ(前部)が17件(28.8%)、翼が13件(20%)だった。エンジンはバードストライクによる破損が多い部位であることが分かる。

 エンジンは精密機械であり、複雑な構造を持っている。鳥が吸い込まれても問題なく作動するように性能向上が図られているが、鳥のサイズや数によっては飛行に支障をきたす損傷が発生する場合がある。

 群れで行動する鳥の存在が飛行機にとってリスクであることは明らかだ。

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