飛行機と鳥が衝突「バードストライク」の脅威! 年間1500件も発生、そもそもなぜ衝突するのか?

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航空機事故のリスクを高めるバードストライク。2023年には日本で1499件の衝突が発生し、その約4割が夜間に起きている。衝突による損傷はエンジンやノーズが多く、航空業界では新技術を活用した対策強化が急務だ。

チェジュ航空事故、179人死亡の背景

飛行機(画像:写真AC)
飛行機(画像:写真AC)

 2024年12月29日、チェジュ航空が運航するボーイング機が韓国の務安国際空港で胴体着陸を行い、その後コンクリート構造物に激突・炎上した。この事故により、乗客・乗員181人のうち179人が死亡する大惨事が発生した。

 フライトレコーダーとボイスレコーダーは着陸の約4分前に停止しており、事故の調査は難航しているが、韓国の事故調査委員会は1月27日に初期報告書を公表した。報告書によれば、管制塔が鳥に関する注意喚起を行った後、パイロットは高度を下げる途中でバードストライクを受け、遭難信号「メーデー」を発信。その後、反対側から着陸を試みたが、着陸脚が正常に作動せず、事故に繋がったという。

 また、事故の原因とされる可能性のあるコンクリート構造物は撤去され、日本でも確認作業が行われる予定だ。報告書には、トモエガモの羽根と血痕がふたつのエンジンで発見されたことが記されている。トモエガモはシベリアから朝鮮半島、日本にかけて群れで移動する渡り鳥で、冬季に南下する。

 調査は現在も進行中であり、バードストライクがエンジンに不具合を引き起こした可能性が伝えられている。

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