紛失・誤配・破損!「置き配」トラブル激増中、4年で相談件数3.6倍に! 便利さの裏に危険が…どう防ぐ?
置き配の落とし穴、配達効率低下の懸念

かつては、再配達問題の解決策として宅配ボックスの活用が推奨されていた。しかし、マンションなどでは住戸数分の宅配ボックスが用意されているわけではなく、宅配ドライバー同士の宅配ボックス争奪戦が発生し、常に空きがない状態が続いているのが現状だ。加えて、簡易的な宅配ボックスは盗難のリスクが高く、特にダイヤル式のものは犯罪の温床になっているともいわれる。
では、置き配や宅配ボックス以外に有効な受け取り方法はないのか。筆者が推奨するのは、
・コンビニ受け取り
・営業所引き取りサービス
だ。特にコンビニは24時間対応しており、時間や天候を気にせず荷物を受け取れる。また、ヤマト運輸などの大手宅配業者は、発送時に営業所止めを指定すると送料が割引されるサービスを提供している。
「送料を払っているのに、なぜわざわざ取りに行かなければならないのか」
そうした意見もあるだろう。しかし、深刻化する物流危機を乗り越えるためには、受け取る側の柔軟性と意識改革が不可欠ではないだろうか。
日本流通産業新聞オンライン(2025年1月20日付)によると、大手通販会社のファンケルは、2月12日から通販商品の置き配サービスに
「日時指定」
を導入すると発表した。置き配の利用を促進し、再配達の負担軽減につなげる狙いがあるという。しかし、果たして本当に有効な施策なのか。
そもそも置き配の推奨は、再配達削減と同時に、宅配ドライバーの
・配達効率向上
・生産性向上
を目的としている。しかし、置き配に時間帯指定を加えることで、これまで一筆書きのように効率的に組まれていた配達ルートが崩れ、配達順が不規則な
「虫食い配達」
となりかねない。その結果、ドライバーの負担が増し、効率も生産性も低下するのは明らかだ。
置き配は単に荷物を置くだけの行為ではない。そこには、物流全体の最適化を見据えた慎重な設計と工夫が求められる。