紛失・誤配・破損!「置き配」トラブル激増中、4年で相談件数3.6倍に! 便利さの裏に危険が…どう防ぐ?
物流業界で急増する「置き配」だが、実際には盗難や誤配、破損などのトラブルが続出。東京都消費生活総合センターには、2023年度に368件の相談が寄せられ、依然として問題解決には課題が山積している。再配達削減を目指す一方、ドライバーの負担増加や配達効率の低下が懸念され、システムの再考が求められる。
置き配のリスク回避策、最適解はどこか

かつては、地域密着型の配達ドライバーが住民の顔ぶれを把握しており、表札がなくても問題なく対応できていた。現在も一部の宅配会社では地域担当制を採用しているが、軽貨物の個人事業主ドライバーが増え、日によって担当が変わるケースも多くなっている。
さらに、軽貨物ドライバーは配達完了によって初めて報酬が発生する歩合制が一般的だ。1件でも多く配達したいという思いと、次の配達先へ急ぎたい焦りから、十分な確認をせずに置き配を行い、誤配が発生することも少なくない。短時間でより多くの荷物を配らなければならないというプレッシャーのなかで、確認作業や配慮が後回しにされてしまうのが現状だ。
こうした状況を踏まえると、宅配ドライバーの対応に期待するのではなく、利用者自身がリスクを想定し、備えることが重要になる。置き配の指定場所は玄関前だけでなく、
・宅配ボックス
・ガスメーターボックス
・自転車のカゴ
・車庫内
・倉庫内
など、多様な選択肢がある。雨や盗難のリスクを避けるためにも、各家庭で最適な置き場所を決めておくのは有効な対策のひとつだ。
また、配送依頼時には、名前をフルネームで記載し、部屋番号だけでなくマンションやアパート名までしっかり記入することも、誤配を防ぐうえで重要となる。