紛失・誤配・破損!「置き配」トラブル激増中、4年で相談件数3.6倍に! 便利さの裏に危険が…どう防ぐ?
都市部で頻発する誤配、背景と対策

以下の四つの観点から、置き配に関するトラブルを整理する。
・紛失
・誤配
・破損
・置き配場所
置き配が導入されて以来、最も懸念されていたのが盗難だ。置き配は基本的に「誰もいない」「誰も見ていない」状況で行われるため、荷物が簡単に持ち去られるリスクがある。日本人の倫理観を前提に成り立つ仕組みとして期待されていたが、近年、その想定を裏切るかたちで被害が急増している。
都市部では誤配のリスクも高い。特に東京のような密集地域では、同じ住所の住宅やマンションが複数存在するうえ、個人情報保護の観点から表札を出していない家も多い。部屋番号のみ記載され、アパートやマンション名が抜けている荷物も珍しくない。その結果、宅配ドライバーが誤って別の世帯に荷物を届けてしまうケースが多発している。同じ苗字の家が隣接している場合などはさらに判断が難しく、確認不足や思い込みによる誤配が後を絶たない。
破損の問題も深刻だ。基本的に天候不良時には荷物を持ち戻るルールがあるものの、急な天候の変化によって荷物が雨で濡れたり、強風で飛ばされたりするケースが発生している。さらに、一部の宅配ドライバーが荷物を乱暴に扱い、投げ置きするなどの行為によって破損する事例も報告されている。
また、置き場所の問題も無視できない。荷物の設置場所に気を配るドライバーもいる一方で、無造作に置かれることも少なくない。ドアの前に荷物が置かれた結果、住人が外に出られなくなったり、通行の妨げになったりするケースもある。こうした問題は、荷物の受取人だけでなく、周囲の人々にも影響を及ぼす。
紛失や破損が発生した場合、その責任の所在はどこにあるのか。宅配ドライバーが故意に荷物を破損させた場合を除き、正規の場所に荷物を置いた時点で宅配ドライバーの業務は完了する。その後の紛失や破損については、基本的に荷物の発注者側が責任を負う必要がある点を理解しておくべきだ。