最寄り駅から遠すぎ! 地方空港「交通アクセス」を解決する戦略的アイデアとは

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地方空港における交通アクセスの現状を考察。バスには乗れるが、運賃が高い空港と安い空港の差は大きいと筆者。

空港発着のバス、運賃が高い空港と安い空港の差は……

兵庫県の但馬空港。バスは平日3便、土日祝2便のみ(画像:シカマアキ)
兵庫県の但馬空港。バスは平日3便、土日祝2便のみ(画像:シカマアキ)

 地方空港での一例を紹介しよう。

 兵庫県北部の但馬空港は、JALグループによる但馬~大阪線が1日2往復、運航している。空港発着のバスは発着便に合わせてのみの運行で、JR豊岡駅や城崎温泉などを路線バスが結ぶ(平日のみバスがもう1便ある) 。

 地元民は車移動が大半のため、空港駐車場は終日無料だ。空港は山上にあり、麓の市街地へ出るには徒歩で1時間以上。JR豊岡駅まではバス320円(所要15分)、タクシー約2500円。城崎温泉まではバス500円(所要40分)、タクシー約5600円がかかる。ちなみに、バスはいつ乗ってもすいている。

 但馬~大阪線の飛行時間は35分だが、搭乗前後で多少の時間を要する。一方、JRで豊岡駅から大阪駅に向かうと2時間40分、高速道路を利用すると2時間少々で着く。特に近年、北近畿豊岡自動車道が延伸したことで、大阪までの所要時間が大幅に短縮された。但馬空港の主な利用者はビジネス客と羽田便への乗り継ぎ客で、今後も厳しい搭乗率が予想される。

 ただ、但馬空港の路線バスの運賃はまだ良心的といえるかもしれない。先日、大分空港から別府方面へ向かうのに、バスで所要45分、運賃はなんと1500円だった。リムジンバスだったので乗り心地は良かったものの、正直「高い」と感じた。

 いわて花巻空港を利用した際も、空港からJR盛岡駅までバスで1430円(所要45分)かかった。バスは航空便に合わせてのみ運行。なお、空港から徒歩で1時間のところに花巻空港駅というJRの駅もあり、筆者(シカマアキ、旅行ジャーナリスト)は危うく間違えそうになった。

 路線バスとリムジンバスが混在する地方空港もある。

 松山空港(愛媛県)の場合、リムジンバスだと道後温泉まで840円(約40分)、路線バスだと560円(約50分)と運賃が異なる。リムジンバスは飛行機の便に合わせた運行で必ず着席できるが、路線バスは運航便とは関係なく、一般市民も利用するルートを組み合わせて走行している。万が一バスに乗り損ねても

・タクシー以外の別の交通手段がある
・空港へ安く行ける方法がある

というのは、旅行者にとって特にありがたいだろう。