なぜ「電動バス」導入には問題が多いのか? 500台で年間5億円の燃料費削減も、バス会社が既存車両の「寿命」を重視するワケ
国内の電動バス市場が加速するなか、初期費用の高さが普及の障壁となっている。新技術の導入や車両のライフスパン延長が鍵となり、コスト削減に向けた革新が求められる。車両の維持管理やバッテリー技術の向上を進めることで、持続可能な公共交通への道が開かれる。
持続可能な交通で環境負荷軽減

寿命延長の利点とその影響について、次のようなメリットが考えられる。
まず、ディーゼルから電動への転換は避けられないが、リファービッシュのように初期コストを抑える方法もある。また、大量生産による経済効果を期待すれば、10倍作ることで価格が50%程度下がるといった効果も見込める。電動化を進めることで、ノンステップバスが普及したように、価格が一般化することが予想される。行政もここを再認識し、バス事業者の支援や導入障壁の一時的な軽減に向けた施策を進めるべきだ。
さらに、電動化は自動運転技術との相性がよく、今後の普及において重要な役割を果たすことだろう。これにより、長期的な運行コスト削減と、2024年問題後の運転人材不足の解消が期待できる。
次に、持続可能な公共交通への貢献が挙げられる。車両の長期使用やリファービッシュといった手法は、廃棄物の削減や環境負荷の軽減に繋がる。新車生産が減ることで、電動バスの普及とともに廃棄部品が減少し、エコデザインへの貢献が期待できる。
最後に、地域社会への還元も重要だ。コスト削減分を
・運賃の引き下げ
・サービス向上
に回すことで、利用者に直接的な利益を還元できる。特に、人件費の削減を実現できれば、その分をより効果的に利用者への還元に充てることができる。車体の寿命延長は、これらの要素を実現する上で重要な役割を果たす。