かつてはラブホが密集 インターチェンジ「周辺」にはコロナ後、何が作られるのか?
IC周辺といえば「ラブホテル」の時代も
また、都市近郊のIC付近ではラブホテルの集積もよく見られた。
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当時のラブホテルは目を引くために、某テーマパークのお城や某豪華客船を模した建物など奇抜な外観が多く、さらに色とりどりの電球やネオンで派手に飾られており、ICが近づくとまるで安っぽいテーマパークに来たかのような光景が展開していた。
ラブホテルは住宅地に開発できないなどの規制があり、開発立地が限定されるが、IC付近は住宅地も少なく規制が少ないことから、開発の阻害要因が少なかった。また、景観的な配慮が必要な立地ではないため、外装は比較的「やりたい放題」だった。この光景は、ドライブが若者のデートの定番だった時代に形成された。
バブルが崩壊すると、百貨店などの都市型商業施設は弱体化し、それに代わって郊外でのリージョナル型ショッピングセンター(RSC)の開発が本格化しはじめる。
RSCの台頭とマーケットの変化
RSCはアメリカで開発された業態で、豊富な品ぞろえによるワンストップショッピングとコンパリゾン(比較)ショッピングを強みとし、さらにさまざまなレジャー施設やサービス施設も集積させた大型複合商業施設だ。
規模が大きいほど競争力が強まるとされ、店舗面積10万平方メートルを超えるような巨大施設が幾つも開発された。その広大な商業床を支えるためには、車での利用を前提とした広域商圏からの集客が不可欠であり、広域集客が可能なIC近隣は開発に最適な立地となった。そのため、産業構造の変化によって閉鎖した工場や物流倉庫の跡地がRSCに姿を変えていった。
商業施設ではそのほかにも、都心での開発が難しいものの当時人気が上昇していたアウトレット業態がIC近隣に開発された。RSCは商圏内の需要を根こそぎ吸収していくため、都市中心部の商業が空洞化していったのは周知のことだろう。これを問題視した国は1998(平成10)年に「まちづくり三法」を改正、郊外でのRSCの開発は抑制された。まちづくり三法とは
・都市計画法
・大規模小売店舗立地法
・中心市街地活性化法
を指す。
近年、RSCを取り巻くマーケット環境は大きく変化している。高齢化が進展し、今や3人にひとりが高齢者という地域も少なくない。
そもそもRSCはニューファミリーという若い子連れファミリーをターゲットにしており、高齢者の利用は前提にしていない。車でしか行けない場所にあり、敷地が広くて買い物も大変だ。マーケットも減退しており、地域によっては広域での後背人口が不足し、商業床を支えきれなくなってきている。
さらに、アパレルなどのナショナルチェーンは床負担力が低下、退店する店舗も増加した。それがさらに集客力の低下に拍車をかけ、地方の中規模なSCの中には大半のテナントが抜けて廃墟化する施設も見られる。IC近隣のRSCもひとごとではなく、広大な廃墟と化す可能性もあながち否定できない。