「コロナで車内ガラガラ」 存続危機の特急りょうもうを復活させる、起爆剤の正体
東武鉄道の特急「りょうもう」求心力が低下している。3月12日のダイヤ改正は吉と出るか凶と出るか――注目が集まっている。
新型コロナウイルスが追い打ち
特急りょうもうの衰退に追い打ちを掛けたのは、世界中にまん延した新型コロナウイルスだ。
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第1次緊急事態宣言中、所用で乗ったところ、久喜~館林間の乗客は40人にも満たなかった。その後、一部列車が運休する事態に陥ってしまう。
新型コロナウイルスのまん延を契機に、テレワークやリモートワークの急速な普及により、営業や商談などで現地入りする必要性も薄らいだ。
現在も通勤を除いたビジネス客の姿が見られるが、ふたり掛けの座席をひとりでくつろぐのが常態化しており、隆盛期の面影がない
運転が見直される可能性も
利用客の減少により、特急りょうもう、リバティりょうもうは存続の危機に直面している。
特に3両運転列車は座席定員149人(大型荷物置き場が設置されていない車両は161人)のため、通勤客が見込める時間帯の北千住~久喜間が「連日満席」、それ以外の区間は日中時間帯も含めて「5割程度」の乗車率に達しないと、2023年以降、
・多客が見込める時間帯
・多客が見込める時期
の運転に見直される恐れがある。ただ、東武は特急りょうもうに関する表立った巻き返し策がほとんどなく、受け身の状態だ。
東武は利用者に
・鉄道最大のメリットである「定時性」
・高速バスよりも快適に過ごせる「居住性」
という基本を改めて認識してもらわなければならない。
そのためには、JR九州のように乗車券と特急券をセットにした「2枚きっぷ」「4枚きっぷ」などの割引乗車券を発売するといった“起爆剤”が必要なのだ。