「京都にメリットなし」 北陸新幹線延伸で、地元自民府議が「小浜ルート」に断固反対! 思わず「人気取りやめて」のホンネも
小浜ルートの費用対効果

ルート再考を進めるためには、どうすればいいのか。小浜ルート派や米原ルート派に何が求められるのか。四方府議に聞いてみた。
「北陸新幹線ルートに関する議論は、「財源論を無視する意見」と「財源論ありきの意見」が対立しているように感じます。いずれにしても、予算があるかどうかを踏まえて議論してほしいです。リダンダンシー(代替機能)といっても、どちらにしても大規模な災害が発生したとき、皆さんは正しく移動できるのでしょうか。いったん予定を変更することになるでしょう。家の車だって、壊れたときのためにもう1台買うことはないですよね」
と、リダンダンシーのためにそこまで費用をかけるべきか、一度冷静に考えるべきだと訴えた。西田氏は
「B/C(費用便益比)が1を切ってでも小浜ルートでやる」
と強気だ。B/Cとは、かかる費用と得られる便益(効果)を比較するための指標である。
筆者としても、防災や減災の観点では、B/Cが1を切ったからといって一律に中止するのは違うと考えている。防波堤やテトラポットが経済効果を期待して作られたわけではないことを考えれば、B/Cが半分もいかないのは論外だが、0.9や0.8でも一刀両断で切り捨てるべきではないと思う。この点についてどう思うか尋ねると、四方府議は次のように答えた。
「B(ベネフィット・効果)はどうにでも作れますが、C(コスト)についてはしっかり考える必要があります。5兆円もかけるのであれば、他にも使うべき場所がたくさんあるのではないでしょうか」
筆者としては、
「米原ルート + 東海道新幹線新大阪~鳥飼車両基地間の複々線化」
で費用を1.8兆円に圧縮し、浮いた3.5兆円で本土で唯一新幹線がない四国に回したり、それこそ、西田氏が推進している山陰新幹線の早期実現を目指したりすべきだと考えている。