ETCカード、貸し借りすると「違法」って本当? “普及率95%”に潜む落とし穴、家族からでもダメなの?
ETCカードの貸し借りは家族間でも違法。大阪地裁の判決をきっかけに、知られていない規約の問題が注目されている。普及率94.7%のETCに隠された意外なリスクと、安全に使うための具体策を解説する。
ETCカード95%時代の盲点

ひょんなことから話題になったETCの貸し借り問題。「電子計算機使用詐欺罪」という罪名には聞き慣れない人も多いが、ETCカードの貸し借りが違法であることは改めて認識しておきたい。国土交通省のデータによれば、2024年8月時点のETC利用率は94.7%に達しており、ETCカードはドライバーにとって欠かせない存在となっている。
興味深いのは、ファブリカコミュニケーションズが2022年6月に実施したETCカードに関するアンケートだ。この調査では300人を対象に「ETCカードを持っているか」を尋ねたところ、「持っている」と回答した人は38%だった。調査対象者の36.7%が運転をしないため、運転する190人に絞ると所持率は60%に上昇する。それでも、ETCカードを持たない人は意外に多いといえる。
その理由として、高速道路をほとんど利用しないケースも考えられるが、なかには、たまに高速を使うだけなので家族のETCカードを借りているという人もいるだろう。こうしたETCカードの貸し借り問題は、実は身近なところで法を犯すリスクを秘めているのだ。
判決や法解釈についての議論はさておき、まずは自身のETCカードの利用規約を一度確認してみることをお勧めしたい。ルールを知り、違反リスクを避けることが、安心してカーライフを楽しむ第1歩となるだろう。