ETCカード、貸し借りすると「違法」って本当? “普及率95%”に潜む落とし穴、家族からでもダメなの?

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ETCカードの貸し借りは家族間でも違法。大阪地裁の判決をきっかけに、知られていない規約の問題が注目されている。普及率94.7%のETCに隠された意外なリスクと、安全に使うための具体策を解説する。

家族から借りたのに違法のワケ

ETCカード(画像:写真AC)
ETCカード(画像:写真AC)

 判決の理由は「規約」に基づいている。事実認定のなかで争点のひとつとして挙げられているのは、「虚偽の情報」を提供したかどうかという点だ。ここでの「虚偽の情報」とは、システムで予定されている事務処理の目的に照らして、その内容が事実に反する情報を指している。

 判決では、道路会社の利用規約に関して次のように説明されている。

「ETCカードによる支払いは、通行の都度、クレジットカード会社から貸与を受けている本人が乗車する車両1台に限り行える」

とされている。実際、阪神高速道路やNEXCO東日本の営業規則を確認すると、同様の内容が記載されている。また、カード会社の会員規約にも

「ETCの名義人本人のみが利用可能」

といった条項があり、ETCカードの第三者への貸与を禁じている。

 つまり、たとえ同居する家族であっても、名義人が使用しなければ、今回の判決のように「電子計算機使用詐欺罪」に該当することになる。

 とはいえ、家族内で複数の人が運転する場合や、レンタカーを利用する際に家族名義のETCカードを借りたい場面もあるだろう。では、どうすれば法を犯さずに済むのだろうか。

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