日本唯一のホバークラフト、15年ぶりに復活! 「大分空港~大分市を結ぶルート」は一体どう変わったのか?
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15年ぶりに、大分空港と大分市を結ぶホーバークラフトが復活する。新しい航路や施設、船体デザインなど、以前の「大分ホーバーフェリー」とは異なる特徴を持っている。新型のホーバークラフトは、英国製の最新船を採用し、最高時速83kmで快適な高速航行を実現。2024年11月末からは、別府湾クルーズも始まる。
船が変わる!「宇宙」イメージの英国製新造船に

乗客が感じる最も大きな変化のひとつはホーバークラフトの
「船体」
だろう。これまで、大分ホーバーフェリーをはじめ、国内で運航されていたほとんどのホーバークラフトは、日本製の三井造船が製造した船だった。しかし、大分ホーバーフェリーの廃業後、三井造船はホーバークラフト事業から撤退し、現在は日本国内でホーバークラフトを製造している事業者は存在しない。今回、大分第一ホーバードライブは、英国のグリフォン・ホーバーワーク社が製造した「12000TD型」という船を採用した。
新たに就航するのは3隻の船で、いずれも新造船だ。それぞれ
・Baien(梅園)
・Banri(萬里)
・Tanso(淡窓)
と名付けられ、名前は江戸時代に活躍した豊後国(大分県)出身の学者にちなんでいる。大分県によれば、これらの船の購入費用は合計
「約41億6000万円」
となっている。各船の旅客定員は80人(予定)で、以前の大分ホーバーフェリーの定員は50人から105人だった。推進用のプロペラは後方に2基あり、その羽根の数は3枚から5枚に増加したことで、より静かで安定した航行が可能になったという。なお、大分ホーバーフェリーの最高速力は約90km/hだったが、新造船は約83km/hに設定されている。
船体のデザインには「宇宙」をテーマにしたモチーフが取り入れられ、宇宙服や星などがデザインに反映されている。このデザインは、大分空港がアジア初の
「水平型宇宙港(スペースポート)」
として活用される計画にちなんでいるそうだ。3隻の船はそれぞれ少しずつデザインが異なっており、複数回乗船する人はその違いにも注目するとよいだろう。
また、時代に合わせてバリアフリーの改善が進められ、誰でも快適に乗りやすい船が実現されている。